くまの窓 ~柔道家・柔道整復師・大学教員のいなじのブログ

柔道家で、柔道整復師で、大学教員のいなじのブログです。

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スタンド・バイ・ミー

現在、大学の学生課に勤務している。
学生課には窓口だけでなく、保健室と学生相談室もあり、連日学生さんで大賑わいである。

以前、現代における二十代前半の学生気質について、思うところを書いた。




  行くも勇気、留まるも勇気。

  進めないのは「みんなより弱いから」ではない。
  進まないことだって勇気がいるのだ。

  彼らに共通しているのは、他者に「弱さを見せられる強さ」がないということ。
  友だちに相談できない、家族に知られたくない…。




昨日の保健室。
朝から一人の男子学生が、保健室の応接セットに座っていた。
浮かぬ顔。生きにくいんだろうな、というのがひと目でわかった。


数時間後、昼休み。
彼はまだ、同じ場所に座っていた。
保健室の看護師さんと、学生課のパート職員のねーさまたちと、仲良くランチタイム。
笑顔爆発の元気な「おかん」たちに囲まれて、彼も控えめに笑っていた。

この職場に異動になってから、いつも思っていた。

ここのねーさまたちは、仕事というのではなく、ただその場に来た若者たちを受容する。
対人援助の専門性とか原理原則とか、そういったことは関係なく、「ただそばにいる」。
「ただそばにいる」ことが、若者の体温をたしかに上昇させていることを感じる。

それは、今までの教師としてのわたしにはできなかったことだ。
ここのねーさまたちだから、「ただそばにいる」ことができるのである。
つまり、「ただそばにいる」には、評価する存在であってはならない。

ねーさまたちは、学生たちが授業に出席せずにいても、後ろ向きの発言をしようとも、
やわらかくたしなめつつも、決して評価することはしない。
その立ち位置が、生きずらさを感じている若者の居場所をつくっているのだと思う。

わたしは今、大学においては評価する存在ではない。
今までは教員だったり臨床家だったりしたのだから、学術や治療においては評価する存在であった。
さらに専任教員としては、学生の生活にまで立ち入って指導しなければならないこともあった。
パターナリズムの功罪について悩み、考え続けてきた。

今わたしは、せっかく専任教員を外れているのである。
与えられた場所で、評価する立場を離れているのである。

今この場所でわたしは、学生たちの「ただそばにいる」大人で在ろう。
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| 学校 | 22:08 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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ファイト!

わたしが知っている数少ない歌に、中島みゆきの「ファイト!」がある。

この歌は、10年以上前、テレビで保険のCMか何かで流れていて、
当時のわたしにしては珍しく、いい歌だなぁと思ってCDを買った。
以来つらいとき、わたしを何度となく支えてくれた歌である。

そして、教員になってから知った。
柔整の学生さんは、この歌を好きな人が多い。


もう7年前の学校の研修旅行にて。
夕飯の後のカラオケ大会で、わたしはこの歌を歌った。
うまくない歌を大声で歌った。

すると、わたしより年上の学生さんで、あまり感情を表に出さない、
無口なスギタさんが泣いたのである。

去年の研修旅行でも歌った。
すると、家庭を支えながら学生をしているタイショウが、
「先生、メチャクチャいい歌ですね。なんていう歌なんですか」と。

この前、卒業式の日。
謝恩会の後三次会に繰り出したわれわれは、朝までカラオケ屋にいた。
また、この歌を歌った。みんなで歌った。泣きながら歌った。

次の日。在学中にお父さんを亡くしたオオノがメールをよこした。
「あの歌のタイトルを教えてください」


柔整学校の学生さんは、仕事をしながら学校に通ってくる。
多くの者は、接骨院や整形外科で見習いをして、その合間に学校に通っている。
見習いだから当然、朝早く夜遅く、そして安月給である。
そんなわけで仕事と勉強の両立は本当に大変で、挫折したりからだを壊す者もいる。

わたしも学生時代、二度、研修先の接骨院を辞めたことがある。
一度目はからだを壊し、二度目は人間関係のつまづきだった。

挫折。

十代では柔道で頑張り認められてきた自分が、
二十代になりつまらない人間関係でつぶされ、社会で通用しないことに、ただ絶望した。
なんでこんな苦しい生活をしているんだろうと思った。
でも、自分が選んだ道で、闘い続けるしかなかった。

多くの柔整学生は、かつてわたしもそうだったように、歯を食いしばって頑張っている。
周りには楽な生活がいくらでも転がっているのに。

そんな試練の中にいるから、みんな、この歌に、ちからをもらうんだろう。



闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう ファイト!
冷たい水の中を 震えながらのぼってゆけ ファイト!



この歌は、柔整学生の応援歌。
国家試験合格発表の日に。

| 学校 | 20:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ラストライブ

わたしが勤務している学校は、今年度いっぱいで56年の歴史に幕を閉じる。

2月24日に正規の授業が終了、25日に国家試験直前講習。
この25日の授業が、わたしの最後の授業となった。
わたしは授業を「ライブ」だと思っているので、25日はラストライブ。

正規の授業は終わっているので、出席は自由。
でも、わたしが担任している最後の学年は、ほとんどの学生が出席していた。

現役生のほかに「学校に遊びに行っていいですか」という卒業生が一人。
久しぶりに授業受けるか?と冗談で聞いたら、いいんですか?と。


授業の前。

その卒業生がおみやげのお菓子を持って、教員室に現れた。
気を遣うなよ~、とお礼を言っていたら、懐かしい顔がさらに二人。
今日は卒業生がよく来る日だなぁ。

授業のために、教室へ。
卒業生がさらに増えている。
なんだなんだどうしたんだ、と、卒業生を交えて、授業スタート。


必修問題の直前講習だからね、もう国家試験パスして
臨床に立ってる先輩方にはつまらないと思いますが…


すると「すみません、遅刻しました~」と、次から次へと卒業生が現れるのである。
現役生は、そのたびに笑う。


どうやら、閉校の前に学校行こうぜ、ついでに稲川の授業も聞いてやろうぜ、
ということになっていたようである。
どこで聞いたんだか、わたしが柔道を教えていた他校の卒業生も来ていた。

そんなわけで、教室は久しぶりにたくさんの「学生」でいっぱいになった。
久しぶりに大人数の前で、いつもより大きな声で授業をする。
わたしは、今の少人数でアットホームな授業も好きなんであるが、
昔は昔で大人数全員を引き込まねば!いう張り合いがあり、その感じも好きだった。

また、各学年往年の「トップ」も数名来ており、
彼らの前で授業するのは緊張したなぁと懐かしくなる。


90分2コマ、無我夢中で終了。

いくら国家試験対策の授業でも、せっかく聴講してくれた卒業生に
ちょっとはためになる話をしようと思って、一生懸命授業をした。

授業を終わった後、深呼吸。
よし、泣かずに乗り切った。
さて、現役生に激励、卒業生にはお礼を言わなければ。


…言葉が出ない。


やはり、ダメだった。
涙があふれて、最後の言葉が、言葉にならない。


なんとか言葉をふりしぼる。


今日この授業が、56年間で最後の柔整の授業。

縁あって母校で教員をやらせてもらって、出会う学生さんはすべて後輩で、
一緒に教員をしていた先生方は先輩で、毎日本当に楽しかった。

母校であり職場であるこの学校の閉校が、本当にかなしくてくやしくて、さびしい。

卒業生がいつでも戻ってこれるように、ずっとこの学校で、教員をしていたかった。



仕方がない、時代の流れだったのだ、と割り切ったと思っていた。
でも、卒業生を、そして最後の学年を前にすると、抑えていた感情があふれ出る。



母校を守れなくて、ごめんなさい。



もっと話したいことがあったけど、もっともっと涙が出そうだったので、
いちばん前に座っていた号令係、クラスいちばんの問題児・ゴダイに声をかける。


よしゴダイ、号令!


ゴダイ、何だか困ったように後ろを振り向く。
すると、クラスのボスであるタイショウが「起立!」と号令をかけた。
卒業生を含め、全員が気をつけのまま、わたしを見ている。


稲川先生!3年間、楽しい授業、ありがとうございました!


教室のそこかしこで弾けるクラッカー。
ありがとう!という言葉と拍手。


おいゴダイ、先生に何か渡したいんだろ!

あ、そーだった!


ゴダイ、ごそごそと着ていたパーカーを脱ぐ。
ゴダイの首には金メダル。


先生!3年間、ご迷惑をおかけしてすんませんでした!
ありがとうございました。先生は金メダルです!


沖縄訛りで、訥々と話すゴダイ。
なんでもかんでもなんくるないさー、の彼に、わたしは担任としてずいぶん悩まされ、
何度叱ったかわからない。

そんな問題児から、金メダルをかけてもらった。
また涙が出た。


ゴダイ、今日ずっと首にかけてたのか

そうっす。あっためてたっす


みんなが笑う。

すると今度は卒業生のヨシコが教壇に歩み寄ってきて、花束を渡してくれた。


先生、卒業生からです!
お疲れ様でした、ありがとうございました!


卒業生からは、寄せ書きの入ったTシャツももらった。ありがとう。


この後も、同級生どうしで結婚したふたりが子どもを連れてきてくれたり、
繰り出した飲み会に参加してくれたり。
さびしかったけれど、みんなが集まってくれて、本当にうれしかった。

また、卒業生と話した現役生が、就職が決まりそうな流れにもなったりしていた。
こういうのが母校の縁。今後もわたしたちには、56年分の縁が残っているんだよな。


この後飲みに行くんでしょ?ずりーなー!


国試を目前に控えた現役生は、飲み会には参加できず。
おまえたちとの飲み会は、国試の後と卒業式の後にとっておくよ。
今日は早く帰って勉強しろ。




今日来てくれた卒業生にありがとう。

3年間腐れ縁の現役生にありがとう。

大東医専で出会ったすべてのひとに、ありがとう。

わたしは、大東医専の教員で、本当に幸せでした。

残りの日々、かみしめます。

後になって振り返った時、すべてが宝物になるとわかっているこれからの時間を、
大事に大事に過ごしていきます。

ラストライブ

| 学校 | 23:38 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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明日は国家試験

明日は第20回柔道整復師国家試験。

前日である今日も、多くの学生が自主登校してきました。
最後まで仲間と一緒に頑張りたいんだなあ。

わが校、最後の学年。
最後の担任は、もはや祈ることしかできません。



ひとこと。






全力で行け。






試験終了後の打上げの幹事は任せとけよ!

明日はようやく、酒解禁だ!うまい酒飲もうぜ!

今日は早く寝ろ!

以上!

| 学校 | 20:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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面倒くさがり

面倒くさいことが嫌いである。
わたしは担任であるから、学生がいろんなことを頼みに来る。

で、やつらがわたしに頼みに来ることは、面倒くさいことが多いのである。
最近は国家試験間近ということもあり、演習問題がらみの用件が多い。

試験問題のデータベースから適当な問題を引っ張り出して、印刷して。
難しい作業ではないんだがとにかく面倒くさい。



第19回国試の過去問ください

もう配ったじゃん

なくしました



生理学の問題ください

範囲は?呼吸とか生殖とか

適当に見つくろってください



必修対策の問題ください

どれくらい?範囲は?

先生のセンスに任せます




…。




めんどくさい。




いや授業するだけでなく、教員てのはこれも含めて仕事なんである。
わかってる。わかってるんであるが、




めんどくさい。




しかしだな、わたしがよくないのはそれを出すわけ。露骨に。やつらに。
するとだな、学生ってのは適応するのだね。担任がろくでもないと。



せんせー

なんだね

ご面倒をおかけして申し訳ないのですが16から19回の問題をください



せんせー

なんだねまた面倒かね

先生の性格はよく理解しているのですが下肢骨折の過去問ください




あまりめんどくさいめんどくさい言ってたら、最近は、
先回りしたり慇懃無礼になったり、やつら戦術を変えてきた。




めんどくさい

ハイめんどくさい出たー



どっちでもいいんじゃね?

うわー出たーテキトー




…。




おまいら、こんな担任でごめん。

おまいらと過ごすのはあと1ヵ月。

しかしだな、あと1ヵ月でもめんどくさいもんはめんどくさいんだがな、
まあ言ってくれればできることはやるから言ってくれよ。


3月、桜が咲くように。

めんどくさがりな担任も、頑張るのです。

| 学校 | 23:04 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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