くまの窓 ~柔道家・柔道整復師・大学教員のいなじのブログ

柔道家で、柔道整復師で、大学教員のいなじのブログです。

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名乗れぬ理由

週末、雨、22時。
仕事を終えたわたしは、自転車で家路を急いでいた。

すると、前方にふらふらと千鳥足で歩く人影。
だんだん距離が狭まっていくと、それがへべれけのオバハンであることが判明した。
あぶないなぁ、この雨の中転んじゃったらオバハン、悲惨だよ?

そんなことを考えていたら、オバハン、植込に突っ込むように転倒した。
わたくし、あわてて駆けつけ、自転車を停める。

「大丈夫ですか?!」
「だいじょーぶよ、ごめんなさいね~」

…!
酒クサイ!
わたしもいつもこんな感じなのか?!

しかし今日のわたくしはシラフである。
辟易しつつ、オバハンを助け起こす。

「あら、悪いわね~。もうだいじょうぶよ、ありがと♪」
オバハン上機嫌。

「どこで飲んでるんですか?お連れの方、いらっしゃるんですよね」
「大丈夫だから」
「いや、でもフラフラじゃないですか」
「へーきへーき」
「でも…」
「大丈夫って言ってるでしょ!」

オバハン、キレ出した。
ま、本人が大丈夫と言ってるし、怒り始めたし、何より赤の他人である。
わたしは「気をつけてくださいよ」と言って、再び自転車に乗った。

十数メートル進んで、大丈夫かな、と振り返ると、
オバハン、今度は後ろ向きに思いっきり転倒した!

こりゃダメだ、と思って引き返す。
柔道で受身を取れず頭を打ったとき、死亡事故になることがある。
それと同じ、「急性硬膜下血腫」にでもなったらえらいことである。

道沿いには和風ファミレス。仲間はここかな?ここだろうな。
そこは1階が駐車場、店内に入るには階段を上らねばならない。
オバハン単独ではムリである。

さてと、オバハンどーやって運搬するかな、と思っていると、
ようやく捜索中だったらしい仲間のおばさん2名が現れた。

二人とも「すみませんすみません」と、平身低頭。
それにしても、泥酔した決して小柄ではないオバハンを、仲間のおばさん二人が何とかできるとも思えず。
「連れて行きますよ。どこまで行けばいいですか」

おばさんA「そんな、悪いですよ」
おばさんB「いや、でも、わたしたちじゃどーにもならないわよ」
おばさんA「それもそうね。わたしも膝が悪いし…」
おばさんB「若い男の人がいてくれたほうがいいわよ」
おばさんAB「よろしくお願いしまーす♡」


…。


というわけで、わたしは、二名のおばさんに付き添われ、へべれけオバハンを自宅まで送り届けることになった。

その時点で、わたくし、その後会う予定だった友人に電話。
「ちょっと倒れちゃった人がいるから、遅くなります。ごめんね」

時々意識が戻るオバハン、一応わたしを気遣う。

「アンタ、おうちで奥さん待ってるんでしょ?ごめんなさいねぇ」
「今、遅くなるって電話したから大丈夫ですよ」

…めんどくさい。

わたしは「若い男の人」で、家で「奥さん」が待っている。
もうこれで通そうと思った。

その後、すったもんだしながら、オバハンを引きずるように自宅マンションまで連れて行った。

時々意識が戻るオバハン、わたしに悪態をつく。

「ちょっと、アンタ誰よ?!離しなさいよ!ウチになんか入れないわよ!」

わたくし、見ず知らずのオバハンにひっかかれ、パンチされ、強盗呼ばわりされ…

ひとつの言葉がアタマの中をぐるぐる回る。


「不条理」



それでも力ずくかつ愛護的にオバハンを強制連行。
自宅の扉を開けて出てこようとするオバハンを押し込め、一件落着。

その後はお約束である。
仲間のおばさんたちが「お礼をしたいのでお名前を…」と、
何度も何度もおっしゃる。

あまりに必死で引き止めてくださるし、一人は膝悪いって言ってたし、
わたしの勤務している学校の付属接骨院の宣伝にもなるかな、
名刺を渡した方がいいのかな、などと一瞬考えた。

でも、わたしは男の人で、おまけにヨメまでいるのである。

名刺には女性の名前、その後の混乱、推して知るべし。

というわけで。

「大したことではないですから!失礼します!」

わたくし、好青年よろしくそそくさとその場を立ち去る。
お~、かっこええ。

しかし、世の中に腐るほどあるこの手のハナシ、
それぞれに名乗れぬ理由があるのだな…。

そんなことを考えながら、救出ポイントの自転車まで戻り、
わたしは降り続く雨の中、ヨメのもとに帰ったのでした。

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