くまの窓 ~柔道家・柔道整復師・大学教員のいなじのブログ

柔道家で、柔道整復師で、大学教員のいなじのブログです。

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ライバル

わたしにはライバルがいる。

ライバルの名はピロセ。
わたしが稽古している柔道会のメンバーである。

ちなみにピロセは小5の女子である。
ピロセにはちゃんとした本名があるのだが、わたしは彼女をピロセと呼んでいる。


「おう、ピロセ!おはよう!」
「ピロセじゃない!」


ピロセとわたしは、これまで数々の名勝負を繰り広げてきた。

わたしはちびっこと稽古するとき、やつらの気合いが入ってなかったり
だらけてたりすると、やつらのあたまを、ホレッ!と撫でたりぐりぐりしたりする。
するとちびたち、頑張るのである。

わたしはピロセを、彼女が2年生のときから知っていて、ぐりぐりしてきた。

するとある日、負けん気の強いピロセ、身長で40センチあまり上回るわたしのアタマを
ジャンプしてはたいてきたのである。


以来それがお約束で。

柔道は柔道できちんと稽古するのだが、稽古が終わった後などがあぶない。
そーっと、わたしの背後から忍び寄るピロセがいたりするので油断ならない。


「やめろ!このピロセ!」
「ピロセじゃない!」


ピロセ、すばやくわたしのアタマをはたく。


「やったな!ピロセめ!」
「ピロセじゃない!」


追いかけるわたくし。すばしこく逃げ回るピロセ。


いつもは大概わたしが敗北するのだが、たまに勝つこともある。


稽古が終わったある日曜の昼下がり。
外は快晴で気持ちのいい青空が広がっていた。

道場を出たわたしは、誰に言うともなく

「雲ひとつない青空だなあ!」

と、空を見上げた。


すると、すかさずピロセが飛び出してきて、わたしの横で同じように空を見上げた。

「って言うと雲を探すだろ、ピロセめ!」


魂胆を見抜かれたピロセは、照れくさそうに笑って、

「あそこにちっちゃいのが一個ある!」

と空を指差した。


ああ言えばこう言う。ぐりぐりされればぐりぐりし返す。
そう、ピロセとわたしは、まごうかたなきライバルなのである。


最近、仕事やら大会やらが重なって、柔道会に顔を出せていなかった。
この前、区民大会があって、久しぶりにピロセに会った。


「センセイ!」

「お!ピロセ!久しぶりだな!試合出たのか?」

「はい、1回勝ったんですけど、次に負けちゃいました」

「そうか~、残念だったな~。次また頑張れよ!」

「はい!」


ぺこんとあたまを下げて、ピロセは走っていった。
少し背が伸びたピロセの背中を見ながら、わたしはなんだか寂しくなった。



ピロセ、いつから敬語が使えるようになっちゃったの?


ピロセ、今日はとびかかってこなかったじゃないかよ。



子どもの成長は早い。
もうすぐ、ピロセと稽古するとき、本気を出さなければならないようになるだろう。
もうぐりぐりはできないんだろうな。




ピロセ。


また、雲ひとつない青空にちっちゃい雲見つけたら、教えてくれよな。



けっちゃくはまだ、ついてないんだぜ!
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