くまの窓 ~柔道家・柔道整復師・大学教員のいなじのブログ

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接骨院とラーメン屋

わたしは柔道整復師を養成する学校の教員である。
柔道整復師の別名は接骨師。もっと簡単に言うと「ほねつぎ」である。

接骨・ほねつぎ(骨接ぎ)とは、骨折や脱臼を元の位置に正すこと。
さらに柔道整復師は、骨折や脱臼だけでなく、捻挫や打撲などの急性外傷、
スポーツ障害など亜急性の外傷にも対応する。

柔道整復師は、これら「ほねつぎ」の技術を軸に、運動器の外傷・障害を
「手で治す」ことのできるプロフェッショナルということになる。

柔道整復師は接骨院(整骨院。同義)を開業することができる。
つまり接骨院は「接骨」を受けられる場所である。

しかし、いま、「骨を接がないほねつぎ」が増加の一途をたどっている。
この現象はやがて、「骨を接げないほねつぎ」を量産する事態を生んだ。



柔道整復師の身分法は柔道整復師法である。
この17条には「施術の制限」という項目があり、こう定められている。

柔道整復師は、医師の同意を得た場合のほか、
脱臼又は骨折の患部に施術をしてはならない。
ただし、応急手当をする場合は、この限りでない。

したがってわたしたちは、ほねつぎでありながら、応急の場合を除き、
骨折・脱臼の患部に施術する際は医師の同意を必要とする。

捻挫や打撲が大したことのない外傷だとは思わないけれど、
このように法的にも、骨折や脱臼は一段上の対応を求められている。
つまりハイリスクなのである。

ハイリスクであり、高度な技術も求められるとなれば、
そこを回避した場所に軸足を置く柔道整復師も出てくる。

それはそれでいいと思う。
できないならやらないほうがいい。



しかし…


年度末になるといつも思い出すことがある。
わたしがまだ教員になって2年目の、年度最後の授業にて。

ある学生さんが、わたしにこう言った。



先生、僕は、先生の言う「骨の接げるほねつぎ」になりたいです。

接骨院と看板に書いてあって、骨折・脱臼は診ませんというのでは、
ラーメン屋に入って「ラーメンください」と言ったら、
「いやウチはラーメンやってないから」と言われるのと一緒ですよね。
僕はそんなラーメン屋はイヤだし、そんな接骨院もイヤです。

僕は、ラーメンを出せるラーメン屋でありたいです。




このラーメン屋の例えは、わたしの中にストンと落ちてきて、
以来授業でよく使わせてもらっている。

彼が今、「骨の接げるほねつぎ」として活躍しているかはわからない。
でも、ほねつぎ魂は忘れないでくれていると思う。

軸足はあくまで骨折・脱臼の治療、つまり「ほねつぎ」に置いて、
残りの片方の足をスポーツ障害、慢性疼痛治療、さらには介護分野などに置く。
それでそれぞれ歩めばいい。

骨は接がなくても、ほねつぎ魂は忘れないでほしい。

年度末、そんなことを思う。


本日わが校では、一昨日行われた国家試験の自己採点日。
ほねつぎ魂を持ったほねつぎの卵たちの果報を、寝ては待っていられない!
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