くまの窓 ~柔道家・柔道整復師・大学教員のいなじのブログ

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被災地支援活動 第3弾〔3〕最終回

 

さて、Lチキバンズを頬張りながら向かった先は、旧雄勝町明神地区。
ここは集落が丸ごと壊滅し、瓦礫も流されてしまっているような地区である。

この避難所のリーダー・Yさんは、気のいい柔道家。
「今日はみんな出かけていて人数少ないから、来てもらうの悪いよ」

Y先生の予想は、「あの人のことだから、人数かき集めてくれてるかもね」。

そして予想はビンゴ!

雨の中、避難所から出てきて笑顔で手を振るYさん。
「待ってました~!たくさん集めといたよ~!」と。

この避難所は、どのひともフレンドリーである。
顔を覚えてくださっている方も多く、うれしくなった。

雄勝避難所


そしてわたしは柔道の大先輩を担当。
「先輩!よろしくお願いします!」と言ったら笑っていた。

先輩は、物言いが見習いたいくらいオモシロイ。


オレ? 強かったよ。柔道部員が30人くらいいる中で代表に選ばれたもの

オリンピック? 出たよ。地元のだけど。


柔道部部室?


先輩は念願のパチンコに何度か行けたらしく、ご満悦だった。
「やってる店、増えたべ?だからたまに、遠征するんだ」と。

遠征。
なるほど、雄勝からいちばん近いと思われる「パチンコ大学」は、今も休業中である。
北上川に程近く、川を逆流した津波で壊滅的な被害を受けた地域のパチンコ屋である。

また、先輩はこんなことも言っていた。

ここを出てアパートに入ることが決まったんだけど、そこはペットは禁止なんだよ。
だからあいつ、いつまでも預かってもらうわけにいかないし、どうしようかな…。

あいつ、とは、わたしが初回訪問で出会った避難所わんこの「ジャム」である。
今は、被災者のペットを預かるボランティア団体に預けられている。
ペットだって必死に生き残った家族の一員である。
こういう家族の苦悩は、たくさんあるのだろうなと思う。


この避難所では、いつも必ず「ごはん食べていきなよ!」と誘ってくださる。
気遣いがありがたい。
しかし、わたしたちは今日中に戻らなければならず。

「そうか、じゃ、これ持って行って!」と、パンと牛乳と缶ビール(!)をいただいた。


また来てね、と、雨の中、みなさん見送ってくださった。
そしてまた、「また来よう」と思う。
何度も足を運ぶことの大切さを実感する。


雲の低い、東北の梅雨である。
この後、本格的な、暑い暑い夏となる。

低い雲


今回もたくさんのひとにたくさんのお話を聞いた。

印象的だったのは、ある方のこの言葉である。


最初はお祭みたいなもんだべ。いろんなひとが、毎日毎日、たくさん来てくれた。
でも今は寂しいもんだよ。もう、忘れられちゃったんだろうなぁ。


また、この方は、最初にこう言った。


また来てくれたんだね、2回目だね、ありがとう。


わたしたちの訪問は、そういうわけで3回目である。
わたしは初回の訪問で、この方を担当したからよく覚えている。

つまり、最初のごたごたの時期は、あまりにもたくさんのひとびとが押し寄せ、
ひとつひとつを覚えてはいないのだ。

そういえば今回、日曜日だったにも関わらず、
他のボランティアチームと行き会うことはほとんどなかった。


「忘れられていくのがいちばんつらい」

これは、阪神淡路のときにも被災者が口にした言葉だそうだ。


たしかに東京では、放射能のそこはかとない恐怖はあるものの、
コメも水も安定して供給されている。
テレビだって、普通にバラエティー番組を放送している。
ニュースでも、被災地の報道は目に見えて減少している。

これは当たり前で、仕方のないことだ。
しかし、忘れてはいけないのだと思う。

被災地の多くの地域はまだ、ほとんど復興していない。
まだ、避難所で暮らす多くの人々がいる。
忘れてはいけないのだと思う。


被災地は、夏になっていた。

壊滅した風景、瓦礫の合い間から、夏草が伸びてきていた。
雄勝で、獅子頭が落ちていた場所は、夏草で地面が見えなくなっていた。

草が伸びてくると、まるで以前からこういう風景であったかのように思えてくる。
片付けられないまま、先が見えないまま、季節だけが遷移する。
被災地の焦燥感や諦観は、いかばかりかと思う。


現地であらためて思った。
復興は短期決戦ではない。長期戦である。

また、現地に行こうと思う。


帰路、臨床心理士のK先生が、ボンドKとわたしにこう言った。


話を聞くのに、からだに触れられるっていうのは、すごい武器ですね。
ぼくたちはそうはいかない。見ていて、うらやましいなって思いました。


なるほど…。

わたしたちの仕事って、ひとに触りまくる仕事である。
触るって、その人との距離がとても近いということだ。
これはわたしたちの「武器」なのだな。

柔道整復師は心理の専門家ではない。でも、傾聴だけならできる。
そんなことに、あらためて気づかされた。



お世話になりました、Y隊長、K先生、ボンドK、S&Yコンビ。
今回もチームワークで乗り切れました。
毎回気づくこと、学ぶこと、てんこ盛りです。
本当にありがとうございました!

そして避難所の皆さん、今回も本当にありがとうございました。
また行きます。
暑い時期を迎えますが、どうかどうか、お元気で。
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