くまの窓 ~柔道家・柔道整復師・大学教員のいなじのブログ

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再会

以前、整形外科勤務時代の患者さんのことを書いた。
ミズエとアユミ、当時は元気いっぱいの高校生。

ブログやらメールやらが縁で、ふたりと数年ぶりの再会と相成った。


「いなーーー!久しぶりーーーー!変わってないねー!」


っておまえらも変わってないな。
相変わらず元気いっぱいでうれしいよ。

ミズエは10月に結婚式を控え、アユミは何と三児の母!


「アユミ、ちびたち大丈夫なのか?」

「うん、まとめて実家に預けてきた!わたしも今日は実家に帰る!」


アユミがちびたちを預けるにあたり、実家のお母さんには
「高校の時のリハビリの先生と会ってくる」と話したんだそうだ。

するとお母さん、「ずいぶんお世話になったもんね、よろしくね」とのこと。
覚えてもらっていてありがたい。


同級生というのは不思議なもので、長いこと会ってなくても
会えば一瞬で昔に戻る。

「ミズエーーー!」

「アユミーーー!」

三児の母になっても、新婚さんでも、
きゃっきゃしてるふたりは永遠の女子高生。
わたしはふたりを眺めながら、昔を思い出す。

毎日ジャージで登場して、ぎゃーぎゃーうるさかったな、
他の患者さんもふたりを応援していたよな、職員はあの手この手でからかっていたよな…。

というわけで、当時一緒にからかっていた先輩たちに写真つきでメールする。

ミズエとアユミ


先輩たちから次々に返信。

「懐かしい!」

「忘れたくても忘れられない幻の二人組!」

「勝気な発言連発してたな~」

「高校生なのにタメ口!なぜかいなだけ、いな呼ばわり!」

「まずいリンゴ、きれいになったね~!」

まずいリンゴとはミズエのニックネーム。

いつぞや、職場のまかないのおひるにリンゴが出されたことがあったのだが、
これがいまいちおいしくない。でも伸ばす手が止まらない。


「このリンゴ、ミズエみたいだな。うまくないんだけどなんだか食っちゃう」

「あ、なんだかそれわかります」

「じゃあアイツは、まずいリンゴってことで」


よくわからないがスタッフ一同、そんな感じで見解の一致をみたのであった。

以来、ミズエは「まずいリンゴ」。


今日それを知ったミズエは猛抗議。
「なにそれーー!ひどーい!!もっといい名前にしてよーー!!!」
いやいやもうそれで定着してますから。


ところでキミタチ、あの時のケガはすっかりよくなったの?


アユミは高校時代、バスケ部所属。
わたしたちの病院に来たきっかけは、重傷の足関節の靱帯損傷だった。
きっちり治療してリハビリも頑張って、バスケ部に復帰して活躍した。
今はママさんバスケのチームに所属しているとのこと。
あんな大ケガをしても、競技を続けてくれていることがうれしい。

でも、「サポーターなしだと怖くてできないんだよね」。

そうか、完璧にはよくなっていないんだな…。
10年以上経って、自分たちの仕事の限界を知る。

「今からでもリハビリしてみたら?サポーター取れるかもよ」

「いや~、“あんなリハビリ”もうできない!」

「わたしももうムリ!」

「いやいや、“あんなリハビリ”は、もうやんないって」



笑った。

ふたりの中で「リハビリ」は、スクワット1000回なのだ。


あれはキミタチだから課したメニューなんです。
一般の患者さんにあんなことやらせたら、確実に病院に来なくなります。


ミズエは?前十字靱帯損傷、どうなった?

「わたしのケガ、手術なしで治るってすごいんだよね」

「そうだよ」

「でもさぁ、いな覚えてる?高校卒業した後、もう一回やっちゃったんだよね」

「そうだったっけ?なんでやったの?」

「それが…シンクロの真似してて…」

「…。」

「プールに入る前、爪先立ちで歩くじゃんこうやって。で、ガクッとなった」

「がははははは!!!」

「そんなに笑わないでよー!笑われるの二回目だよー!」


ミズエいわく、二回目の受傷の時は、問診をわたしが担当した。
なんで受傷したか(笑われるから)言いたがらないミズエに、わたしは、
「原因をカルテに書かなきゃならんだろ口割れコノヤロウ」的なことを言ったらしい。

で、しぶしぶ白状したミズエにわたしは、「がははははは!」とやったらしい。

ひどい医療従事者である。ミズエごめんな。


そして、ふと思う。

ミズエも、靭帯の不安定性なく競技(ハンドボール)に復帰した。
珍しいことだが、靭帯が癒合したという確信もあった。
しかし、爪先立ちで歩いた程度でガクッとなるということは、
前十字靱帯不全膝にみられるいわゆる「膝くずれ」が起こった可能性が高い。

癒合は不完全だったのかな、あるいは、そもそも癒合していなかったのかな…
今になって、いろいろ逡巡する。

二度目の受傷の時、問診を担当したわたしは、そのことを感じたはずだ。
でも、今のわたしの中では「ミズエはよく治った」ということになっていた。

治療者が「よく治った」と思っていても、大きなケガの予後というのは、
何らかの不自由や障害が残っているものなのだな。
ケガをした方は、残った不自由と折り合いをつけているだけなのだな。
アユミにしても、今もなおサポーターなしでは運動ができないわけで、
治療する側がうぬぼれてはいけないんだよな…。

久しぶりにふたりと話して、そんなことを思った。

ミズエは、今は日常生活に不便はないということだが、今後どうなるかわからない。

「そしたら、またスクワット1000回だな」

「マジムリ。絶対ムリ」


他にも話は尽きない。
ミズエとアユミのダンナが、たまたま同じ職業だったりとか、
当時通院していたほかの患者さんのこととか、スタッフの近況とか。

もつ鍋屋を出て、ハシゴ酒。
おまえたち、高校生だったのがすっかり酒飲みになっちゃったんだな。うれしいぞ。


ふたりと話していて不思議な感覚。

彼女たちはわたしの「教え子」ではない。
わたしが教師をしている姿を、ふたりは知らない。

そんなふたりが言ってくれた。

「いなの授業受けてみたい」
「いなは先生に向いてるよ」

実はわたしは、ふたりに会った時、人生複雑な感じになっていて、
教師を辞めようかと悩んでいた。
でも、ふたりの言葉に、昔の患者さんに、背中を押してもらった。

スクワット1000回をバカ正直にこなしたやつらの言葉は、
わたしの中にもバカ正直に響く。

再会!


アユミ、ミズエ、ありがとう!

次は忘年会?また会おうな!
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