くまの窓 ~柔道家・柔道整復師・大学教員のいなじのブログ

柔道家で、柔道整復師で、大学教員のいなじのブログです。

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二代目の初陣


昨日は毎年恒例の校内柔道大会。
わたしは1年生の担任。
そんなわたくし、3年前、柔道を始めて半年の当時の1年生を優勝
さらに翌年連覇させたという経験を持つ。

…なんてな。
勝ったのは、頑張った当時の連中だ。
あの時のことは忘れない。
で、今年はどうかな、と思っていた。
二代目稲川組は、人数が少ない(昼間部14人、夜間部7人!分校並みです)。
初代に比べるといまひとつ盛り上がりに欠ける…という感触。

ここはひとつ、担任ひとりで勝手に盛り上がってやろうと思い、3年前と同じエサで煽る。

「いいか!我々が優勝するからな!優勝したら焼肉だ!」

「おごりっすか?」
「もちろん!」

やつら、これで「お?マジ?」と思ったらしい。

さらに大会1週間前のわたしの授業にて。
冗談で「授業やめて、柔道の練習するか?」と言ったら、
連中、口をそろえて「やりたいです!」と。

どうせ座って授業聞いてるより退屈しない…くらいの感じだろ?と思ってました。
すると、頑張るんです。連中、一生懸命やるんです。

昼間部には柔道経験者がふたり。
素人が、彼らに技のコツを教わる。それも自分から積極的に教わりに行っている。
柔道経験者も、一生懸命教える。
あまり試験の成績はよろしくない二人が、いきいきとしている。
授業時間が終わっても、まだ残って頑張っている。

夜間部には、わたしなんかよりはるかに柔道をよく知っている、
柔道のエキスパートがひとり在籍している。
ちなみに、格が違いすぎるため、彼はこの大会には参加しない。
全日本クラスで戦っていた彼から、夜間部の決して若くはない連中が真剣に教わる。

「一勝くらいしたいよな」
「2、3年に負けたくねーよ」

そして迎えた昨日、本番。

やつら、前日にも張り切って練習して、故障者続出。何やってんだよ。笑
でも、誰も「試合出られません」なんて言わない。
数人にテーピングを巻いてやって、畳に上がらせる。

まず、全員素人、夜間部チーム。
正直なところ、ケガ人が出なければいいなと思っていた。
それが、なんと1回戦、2年生チームに3対2で勝利!
きょうだいのように仲のよい分校チーム、初陣を飾る。

続く2回戦では、初戦でちからを出し尽くした1名が棄権、
4人で臨んだ試合は1対3で敗退。
でも、1勝を上げたことで凱歌。

続いて、ヘタするとヘタするぞ、というダークホース、昼間部は2チームの出場。

Aチームは初戦敗退も惨敗ではなく、負けて涙ぐんでたヤツもいた。
「スゲー悔しい。もっと強くなりたい」

唯一残った昼間部Bチーム。
1回戦シードの後、初戦突破。
続く準決勝では、2対2の内容リードで大将戦にもつれ込む。
大将がポイントゲッターに引き分け、勝利。

決勝。
5人とも柔道経験者を並べた2年生チームと対戦。

「先生、円陣組みましょう!」

もう負けてしまったチームのひとりが声をかけてきた。
昼間部、夜間部の全員で円陣を組んだ。
1年生のムードメーカー、夜間部のTに陣頭を頼む。

「焼肉食いに行くぞ!」
「おーーーー!」

気合い入れて行くぞ!とかじゃないのかよ…。
笑顔と緊張の中、決勝戦開始。

想像してください。
柔道を始めて半年の者が、道場や部活で何年も柔道をやっていた者と
真剣勝負するという状況を。

白帯が、黒帯に引きずり回される。
何度も転がされ、押さえられそうになる。

我らが素人軍団は、負けちゃえばらくになるって、
そんなことを考える余裕もなかっただろう。

全員野球ならぬ、全員柔道。
誰も手を抜かない。あきらめない。かじりついてでも!という気迫。
先鋒、次鋒は最後までねばった。ボロボロになるまで戦った。
でも、黒帯に勝てるはずもなく、惜敗。

連敗で後がない中堅。
投げられてポイントを先行され万事休す…と誰もが天を仰いだ、その次の瞬間。
柔道部顔負けの技、電光石火の逆転、一本勝ち。
白帯が黒帯をぶん投げた。

応援団、大興奮、大喝采。
担任、スタンディングオベーション。

続く副将は柔道経験者。
「つなげよ!」
「わかりました」

彼は、「確実に取る」柔道で一本勝ちしてきた。
寡黙で天然ボケの彼が、頼もしく見えた。

そして2対2のまま、大将戦へ。
内容では我がチームのリード。
大将が引き分ければ、我々の優勝である。

我らが大将は、からだはデカイが自他ともに認めるノミの心臓。
押し気味に試合を進めていたが、残り30秒で緊張の糸が切れた。
見ていてわかった。
相手の渾身の技に転がされ、技ありを取られる。
そして、逆転するだけの気力も体力も、もう彼には残っていなかった。

2対3、準優勝。
3年前のミラクル、再現ならず。

勇者5人は、たたかいの後の礼を終え、畳を降りてきた。
身体のあちこちにキズやアザをこしらえて、汗だくになって。

いつもわたしに「寝るな!」とか「バカタレ!」とか怒られちゃってる連中である。
でも、今日はちょっとだけ、カッコよかったぞ。


…というわけで、校内柔道大会、今年も盛り上がりました。

つかみかけた優勝を逃したのは悔しかったけど、柔道は、
素人が簡単に勝てるほど甘いものではないということがわかったでしょう。

そして、「タイマンのガチンコ」が、こんなにも気力と体力を
消耗するのだということも。


「こんな盛り上がるなら、年2回でもいいよな」
「おー、次は絶対勝ちてーよ」


そうだな、リベンジしたいよな。
次は絶対、勝とうぜ。


初代の皆様、二代目は立派にやってます。

二代目稲川組、初代と同じく、負けじ魂に火がついたようです。
初代も二代目も、一所懸命で一生懸命な連中です。
担任させてもらって、しあわせです。

よし!リベンジに向けて焼肉だ!
ただし、会費制!
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| 柔道 | 21:22 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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