くまの窓 ~柔道家・柔道整復師・大学教員のいなじのブログ

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被災地で泥かき〔2〕

記事〔1〕

翌朝はスッキリと晴天。
しかし、ものすごい強風!暴風警報が発令されていたらしい。
気密性の高いホテルの窓枠でも、風が吹きつけるたびに音を立てていた。

7時過ぎに仙台を出発する。
ちなみに12月上旬現在、宮城県下の有料道路は無料で通行できる。

仙台東部道路を南下。
震災の日、この盛り土構造の高速道路は、内陸への浸水を止める防波堤の役割を担った。
また、周囲に高台のないこのあたりの人々は、この道路に上って難を逃れたという。

しばらく走ると、仙台空港が見えてきた。
ここでの大規模な被害も、記憶に新しい。

亘理へ


強風にハンドルを取られそうになりながら、亘理までたどり着く。
そこからさらに南下し、山元町へ。

亘理郡山元町は、福島県に接した海沿いの町である。
亘理郡の浸水範囲は広範で、大きな被害を出した。

12月3日時点において、死者が614人、行方不明が3人(死亡届提出の15人を除く)。
家屋は、全壊が2213棟(うち流出1013棟)、大規模半壊526棟、半壊543棟。
山元町HPより


前回の記事にも記したが、この山元町を中心に活動しているのが「スコップ団」である。
装備と保険と食糧とを調えて行けば、個人の飛び入りOKの珍しい団体である。

写真はスコップ団のトラック。
これにスコップはじめ必要な道具を積み込んで、どこでも駆けつけるのだそうだ。

スコップ団のトラック


スコップ団の集合は、JR山下駅前に9時。
この日は、見たところ50人程度が集まった。

山下駅前


ちなみに山下駅は、JR常磐線の駅。
山下駅を含む広野~亘理の約100kmの区間は、
津波および福島原発の被害により、現在は不通となっている。

山下駅


ホームにも線路にも草が生い茂り、
ここに電車の往来があったことが信じられない感じである。

山下駅線路


自転車置き場には、自転車や原付が泥まみれのまま放置されていた。
当然、このように整然としたまま被災したわけではないだろう。
散らばった自転車や原付を、ここに集めて並べた誰かがいるのだ。
でも、これらを取りに来る人はもういないんだろうな、とも思う。

自転車置き場


さて、今日のスコップ団の活動は、駅前の床屋さん。

今日は床屋さん


ここを、数十名で一斉に片付ける!

最初は、これだけ人数がいるんだからいくつかのグループに分かれるのかな?
と思っていたが、とんでもない。
数十人で一斉に、よってたかって片付けるから片付くのである。

みんなで


指示、指揮する人は誰もいない。

初めて参加したわたしは、最初戸惑ったが、そのうち、
各人ができる場所でできることをやればいいのだと気づく。
重いものや大きなものを運ぶ時は、誰彼に声をかければみんな快く手を貸してくれる。

力自慢は力仕事を。
メカに強い人は機械の取り扱いを。
細やかな仕事が得意な人は、分別の仕事などを。

わたしは、家屋周囲の泥かきと納屋と車庫の片付けに取り組んだ。
泥の中から、雑草の下から、本当に膨大な量の生活の痕跡、思い出の品が出てくる。

このぬいぐるみの持ち主は、無事だろうか。

ぬいぐるみ


活動のはじめのころは、ご遺体が見つかることもあったそうである。
そう思うと、スコップのひとかきにも慎重になる。


現場には危険もたくさんある。

泥や埃の粉塵。ガラスや金属の破片。家屋倒壊の危険。そこかしこに突き出た古釘…。
泥かきや家屋の片付けに従事する人びとは、破傷風の予防接種をするべきだと思った。

釘


ひとつのお宅から、これだけのものが出た。

まず、土砂。

土砂


木材、布、紙、金属、家電製品。
ざっくりとではあるが、分別する。

分別


片付けをするたびに、そのお宅の人に廃棄するものとしないものとを
確認してもらうそうだ。

今日手伝わせていただいたのは、表が理容店、裏に書道塾というお宅であった。

たくさんのハサミやドライヤー、年季の入った重たい床屋椅子、割れた鏡。
筆、すずり、滲んで読めない手習いの半紙、塾生の名の書かれた木札。

「御誂」と書いた箱が出てきた。
中には、七五三のためにあつらえたのであろう子供用の着物。


たくさんの思い出。

問わず語りに思い出を語り、涙するひともいれば、
「全部捨てちゃっていい」と言うひともいるのだそうだ。

家屋やモノの片付けは、当事者では手がつけられないだろうな、と思う。
手をつけたとしても、全然捗らないだろうな、とも。

だからこうして、大勢の他人がどやどやとやってきて、よってたかって片付ける。
それがきっかけで、ようやく新たな一歩を踏み出せるひとも多いのかもしれない。


活動がひと段落したので、片付けをしたお宅のとなりの建物を覗いてみた。

生協のスーパーマーケット。
ねじまがったシャッターと割れたガラスの中は、まったくの手つかず。
棚は店内の奥まで押しやられ、床に商品が散乱していた。

駅前コープ店内


活動終了。本日は1軒のみ。
道具をトラックに積み込み、解散。

たくさんのスコップ


しかしとんでもない強風だった。
最初は寒くて凍えたが、活動が終わる頃には汗びっしょり。

強風!


まだ片付いていないお宅もたくさんある。
もうすぐ本格的な冬。

冬の太陽

〔3〕へ続く
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